リアル飯

今日も仕事。食べるのも仕事。[29歳OLのリアル飯。10皿目]

以前の職場にいるときにお世話になった人が冷蔵庫を買い替えるとのことで、私は古い冷蔵庫をいただいた。 昨日届いたばかりのその冷蔵庫は、届いた直後には他人の家庭の匂いをまざまざと漂わせ、新しい家主を拒んでいるかのように感じたが、今夜扉を開けると…

今日も仕事。食べるのも仕事。[29歳OLのリアル飯。9皿目]

凝縮して働くと休日の開放感が増すと上司は言う。蟻の巣穴から世界を吊るし上げ、寝首を掻く覚悟で生きろとかつての上司は言った。会社に長く勤めたことがなかったので、きちんと勤めている日々が初体験を更新する。新しい環境に身を置いて新しいことを始め…

今日も仕事。食べるのも仕事。[29歳OLのリアル飯。8皿目]

今朝のこと。 5歳ほどの男の子と母親が、大して混んでいない通勤電車に乗ってきた。男の子はまだ閉まらない電車の扉に体を向けながら、母親の顔を見上げた。 ママ、どうしていろんな人が、くさいまま、いるの? えっ。 そうね、これだけ人がいれば、いろいろ…

今日も仕事。食べるのも仕事。[29歳OLのリアル飯。7皿目]

上司と複数の立場が絡む仕事の進め方について話し合っていると、話をわかりやすくするためか、なぜか仕事を虫に例えて話を始めた。体裁が悪い。虫に例えるのはやめた方がいいと私は思ったが言えず、苦笑いをして場を濁す。それでも、とくに滞ることなく自然…

今日も仕事。食べるのも仕事。[29歳OLのリアル飯。6皿目]

机で黙々と作業中に、外線電話が鳴った。奥底に潜っていた意識が急上昇し、私に戻った瞬間に手が受話器を取った。社名を何回名乗っても相手は無言だった。チッ受話器を置いた後に舌を鳴らし、隣の机の上司にたしなめられた。私は冗談半分の気持ちがあったの…

今日も仕事。食べるのも仕事。[29歳OLのリアル飯。5皿目]

ゴールデンウィーク中にずっと待ちわびていた、月曜日の今日。アラバキロックフェスでの落とし物の問い合わせが開始される日だったのだ。私は初めて参加したアラバキロックフェスで、大切な化粧ポーチを無くしている。そこには、つい数週間前、友人の結婚式…

今日も仕事。食べるのも仕事。[29歳OLのリアル飯。4皿目]

めちゃくちゃな有給の使い方をしたせいで使える有給がないだけなのに、「長く休むと仕事の感覚が鈍るからカレンダー通りに出社する」とあちこちで格好つけて発言している自分を嫌いになれないのは、私が自分に甘いからなのだろう。意識高い系の発言を好むわ…

今日も仕事。食べるのも仕事。[29歳OLのリアル飯。3皿目]

頭の中から仕事が抜けた隙間に週末感が流れ込み、ようやく私にも週末が始まる。そして、始まったばかりの週末を横目に、すでに月曜日の訪れを急いている。こんなに月曜日が恋しい金曜日はない。ただただ、月曜日に入るお給料が待ち遠しい。明日、私は家中の…

今日も仕事。食べるのも仕事。[29歳OLのリアル飯。2皿目]

金曜日はいつも、仕事おわりにそわそわしてしまう。約束もないのに、終業に変わって素敵な何かが起きる期待をしてしまう。金曜日なんてまやかし、いつ期待しなくなれるだろう。幸か不幸か、そわそわする隙間もないほど頭いっぱいに仕事を詰め込み、今日が終…

今日も仕事。食べるのも仕事。[29歳OLのリアル飯。1皿目]

お給料日まであと11日もあるのに、使っていいお金がどう考えても少なすぎる。来週の友人の結婚式には行くと言っているし、二次会も出ると言った。結婚という契りを決意できる人物に出会えることは素敵なこと。それなのに、お祝いしたいという気持ちに影を落…