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本気で願い、信じれば夢は叶う!と感じた話

先日、暗黒の大学生時代に大変お世話になった恩師に近況報告をする機会がありました。その流れから、社会人の先輩として現在のゼミ生にアドバイスをして欲しいとお願いされ、ゼミ生らが参加しているLINEグループに招待されることに。学生時代の腐敗臭が残っていた頃なら「余裕がない」という最もらしい言い訳でスルーしたのに、それなりに社会人が板についてしまった現在では断る理由がどうしても見つけられません。そうして、最高齢でも20代前半、つるっとシワのない大学生のLINEグループに飛び込むことに。

 

LINEのノート機能とやらに自己紹介を残すように恩師より指示を受けてから1週間ほど放置していましたが、腐っていた人間がそれなりに生きていけるようになったという体験談も学生にとっては貴重な話になるかもしれないと気持ちを改め、現在の仕事や趣味などを簡潔に記し、最後に近年で最も印象に残った「本気で願い、信じれば夢は叶う!」と感じた希望溢れるエピソードで、私は自己紹介を締めくくりました。

 

今回はその「本気で願い、信じれば夢は叶う!と感じた話」として学生に伝えた話を、改めてまとめてみました。

 

 

きっかけは、高校時代からの親友に、あるイベントに行こうと誘われたことでした。詳しく聞いてみると「ずっとファンだった、あるAV男優らの新作DVD発売記念イベントにどうしても行きたいので、一緒に来てほしい」とのこと。イベントの日はちょうど友人の誕生日前日で、貴重な誕生日前日に好きな男性を眺めて過ごしたいという乙女心だったのです。私はもちろん、ふたつ返事をしました。どのような人たちがどのような時間を過ごすのかこの目で見たい、という好奇心が抑えられなかったからです。

 

そうして私たちは白昼堂々とやっているそのイベントに向かいました。まず会場で衝撃的だったのは、壁絵。性器丸出しの股座だけが書かれたたくさんの女性が、カモメのように青空を飛んでいる絵が書かれていました。非常にポップなタッチで描かれたその絵はいやらしさがなく、かえって困惑を誘います。あれこれと会場の雰囲気をうかがっている間に100人以上のAV男優ファンで会場はいっぱいになりました。血が一か所に集まり、うっ血して膨張したような、緊張感と生命力がみなぎります。

 

エネルギーが飽和した会場に男優が登場し、イベントは始まりました。今回のイベントのサブテーマはファンへの「おもてなし」。挨拶もそうそうに、AV男優らは全員、着ていたTシャツを脱ぎ捨て、少なくとも上半身は裸になりました。私の友人が好きなAV男優はジーンズも脱ぎ、パンツ一丁に。立ち上がって身をよじるたびにパンツの隙間からポロリしそうで、非常にハラハラさせられます。

今を時めく有名AV男優5名が、新作のDVDについて半裸でアツイ議論を交わします。それを恍惚の表情で眺めるファンの人々。

 

イベントはあっという間に終盤へと突入し、ファンが最も楽しみにしていたであろう「プレゼントタイム」の時間になりました。各AV男優が、自分のファンが最も喜ぶと思う「おもてなしのプレゼント」を準備しています。その頃にはファンのワクワクがすっかり飛び火し、私は私で、その会場で最も魅力的だと感じた男優さんのプレゼントである「使用済パンツ」が欲しくてたまらない心境になっていました。

 

受験勉強の合格通知を待つ受験生ばりに、お気に入りの男優さんの口から私の番号が呼ばれることを、両手を合わせて祈ります。一点の迷いもなく、私こそ彼の使用済パンツをもらうべき人間だと心から信じていました。そうやって、迷いもなくただ彼のパンツをもらうことを一心に信じた結果でしょう。たった1名しかもらえない、お気に入りの男優さんの使用済みパンツに当選したのです。

 

私は自分の番号が実際に呼ばれた瞬間に、本物のファンの中でもひるむことなく黄色の歓声を上げて飛び跳ねました。喜びをストレートに表現することが礼儀だと思ったからです。私の友人も、一緒に飛び跳ねて喜んでくれました。

 

ひとしきり騒いだ後にプレゼントをもらい、私の興奮は冷めていく一方で、友人の緊張は刻一刻と高まっていきました。友人の本命のAV男優さんは非常に豪華な景品を準備しており、その豪華さ故にプレゼントのトリを務めていたのです。緊張が高まる友人を見ていると、私までソワソワした気持ちになりました。私たちは高鳴る鼓動を抑えられず、ただ両手をぎゅっと握り合って祈ります。

友人の「42番」が、彼の口から発せられることを。

 

 

「当選は…42番!」

 

 

友人の好きな男優さんの口からその番号が漏れた瞬間に、私たちは歓喜の叫び声を上げて飛び跳ねていました。人目をはばかることなく叫び、手を取り合います。

イベントが始まる前に「その男優さんが好きすぎて、元カノの女優さんとエッチしている作品を見るのもつらい」と、涙を浮かべ、悲痛な表情で語った友人の表情が蘇ります。あの頃の私たちは、こんな奇跡が起きるなんて思ってもいなかった。

私たちはあの会場で、完全に乗りに乗っていました。幸運の女神に愛されたのです。無敵だった女子高生時代に戻ったかのように、少女の気持ちになって喜びました。友人の目から、涙が溢れます。私はあんなに純粋な喜びの涙を知りません。強く信じる心が、私たちの手に素敵なプレゼントを呼び込んだのです。

 

 

不景気が続き、今は本当に希望を持ちづらい時代です。世界を見ても、貧困の格差やテロがはびこり、わかりやすい幸せや希望が落ちている場所はどこにもありません。日本の若い人たちは悟り世代などと揶揄されながら、希望のない社会や大人からものわかりの良いふるまいまで期待される時代です。

 

そんな時代を大学生として過ごすゼミの後輩たちへ、私は「信じれば叶うことがある」ということを知って欲しい。強い希望や願望を持つことで実現することがある、ということを心から信じて欲しい。そう願い、現役大学生らに向けて、LINEの自己紹介でこの「友人が好きなAV男優のプレゼントに当選した話」を記しました。