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どうせひとりなら、爆音の中で孤独を噛み締めようとこの週末に渋谷の某clubイベントに終電でふらりと行ってきました。

 

さすが渋谷の深夜帯という感じで若い人が多く、しかし、フェスに来るような、同じ振り付けをみんなで踊るのが楽しいです!みたいな太陽の似合うタイプでもない。あちこちの酔っ払いがこぼした酒が床に吹き溜まるか、靴底にこべり付く。場末感が半端なく、正直居心地は良かったです。誰も自分のコミュニティ以外の事柄には関心がなさそうで、気楽なもんです。

 

テクノ、ミクスチャー、ヒップホップなどとジャンルはさまざまでしたが、どのパフォーマーもみな丸腰、ぶっ飛んだテンションとパフォーマンス。求められる規格に落とし込むことを前提としない、人間味あふれるインディーズの表現にしばらく触れていなかった代償か、知らぬうちに一方向しか顔を向けていなかった私の後頭部をフルスイングでした。

 

まともな人たちと一緒に過ごすとそのまともさに居心地が悪くなって酒の力を乱用、理不尽な狂気を落として逃げ去りたくなりますが、そもそもが混沌とした歪んだ世界であれば自らが介入する必要などなく、お酒も不要、呼吸がしやすいと思いました。

だからこそ、頻繁に居たり、長居したり、決して仲良くしてはいけないとも感じました。

 

そこらへんで拾ったタバコに火を点けて久しぶりのタバコに耽っていると、知らない女の子がニコニコとタバコを乞うてきました。

 

このタバコは拾い物で自分のは持ってないと答えると、彼女はシケモクの中から吸えそうな1本を選別してゆらゆらとふかしはじめました。

 

耳に入る全ての情報に対して楽しい楽しいと彼女はケタケタと笑い、私に同意を求めてきました。

 

私は肩ふたつ分の距離を保ちながら彼女の瞳の奥に人間の意志を探りましたが見つけられず、彼女はそのまま知人らしい男の子らと会場へ戻っていきました。

 

J-ROCKやJ-POP中心のDJが流すスピッツの歌を口ずさむしかできなかった私は情けないか。