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グラス横目に

たった数年前のあの日

 

海辺でふたり、何でもない会話をつまみにビールを飲み干した。

 

数少なに交わされるのは

たとえば水面のきらめきであったり、

互いの語尾の残り香であった。

 

自分を形容する単語を見つけられず、

相手の言葉と波の音に身を任せ

そのままビールを身体に流し込んだ。

 

ぼくらは触れ合うこともなく土足で歩き回り、

そのまま道を違えてしまった

 

掌から零れ落ちてしまった性愛のきらめきを言葉にすると初めて関係が誕生した

 

馬鹿にされているように感じる

 

ウィスキーグラスの氷が軽やかに世界を分断した