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業務報告書、という名の。

職場で、7月の終わり頃から毎日、上司に業務報告書を書いている。A4のノートに、手書き、毎日、である。

懐かしさ。その行為自体は、なんだか学生時代を想起させる。上司の方針でこの手書きの業務報告書が実施されて、もう3ヶ月が過ぎた。

そりゃ、もちろんはじめはわたしは乗り気でなかった。むしろ、否定的であった。日々の業務報告書を要求するような人間、しかも手書きで、などという人間は気が触れているに違いないと考えた。

上司が気が触れているかどうかの検証よりも先に、わたしは業務報告書にハマった。汚い字で書き殴ったことがないとも言えない。だが、すぐに、わたしにとって業務報告書は大切な存在となった。

わたしはまず、業務内容をアピールした。さも、仕事が多くて大変そうなふりをしたいと思った。難しそうな仕事をいかにたくさんしているか、そんなふうに見せたいと頑張った。しかし、客観的な仕事の基準とは詰まるところ、いくらの金額の仕事をこなしたか、である。金額に直接の影響を与えることが少ないわたしは1ヶ月程度で業務アピールに手詰まった。

そこでわたしは、もはや業務とは関係ない報告に楽しみを見出すようになった。

『今日の一言』というコーナーを設置し、毎日一言以上の長文を書いた。おもに「2016年で今日が1番良い天気だ」「最近炊き込みご飯にハマっている」「2016年の下半期だけで野生のゴキブリを6回目撃している」といった内容である。

大抵は何のコメントもつかない。

しかし、business personの仕事とは、そういうものだ。いつも、日々の業務や感じたことなどは、無視され、ときに踏みにじられるのである。しかし、そんなことに動じてはいけない。上司が、ときに社長さえも読む業務報告書に、ゴキブリの目撃情報などを黙々と記すのみである。学生時代のように、校内放送で個別で呼び出されて注意されないということは、まぁ特別問題もないということだ。

ゴキブリの目撃報告に、まさかの社長からのコメントが時間差で入ったときには、ゴキブリの生態について調べた内容も追記レポートした。

昨今の社会経済、いつどうなるかわからないこのご時世で働くbusiness personのこの身として、会社と刺し違える覚悟で日々働いているのだ。同僚と酔っ払って居酒屋で愚痴などをこぼしていてはもったいない。

そのエネルギーを業務報告書に記している。さながら、ペンを掲げたジャンヌダルク。そんな気分なのである。ちなみに今は、酔っ払っている。しかし、業務報告書を記すときはシラフで、いたって真面目に書いている