完全なる冬季うつ病

夏の暑さが引いて朝夕に肌寒くなってくると、妙にセンチメンタルな気分になる。そういうものだとずっと思っていたが、近年の自分を振り返ると、それだけではないことがわかってきた。

 

すっかり寒くなると、元々悪い寝起きが最高潮に達する。

 

肌を刺す寒さの中、重たい体を引きずって職場へ行き来し、その反動で休日には泥のように眠り、ベッドからほとんど動けなかった。

 

夏の色鮮やかさに反し、冬は景色が全体的に灰色っぽく、曖昧になる。

 

気分はずっと靄がかかっており、時には全身が分厚い粘膜に覆われ、呼吸もままならず窒息してしまうかのような息苦しさも感じた。

 

職場の人間は私を無能で不要な人間と思っているに違いないと疑心暗鬼になった。

 

この世の中で自分を必要とする人間はいないという孤独感もあった。

 

そういった諸々の自意識過剰から逃げるために、積極的に眠り、お酒を飲めば職場の人間への不満が漏れた。

 

そして、今年も春が訪れた。

 

花粉の影響を多少感じるものの、力強い陽光を浴びると足取りが軽くなる。

 

気分も軽く、ポジティブな考えが溢れ、自分の好きなこと、やりたいことが増えてきた。

 

今思えば、今回の冬場の私は冬季うつ病だったのかもしれない。

冬季うつ病は女性に多いらしいという記事を見かけたし、その症状の多くが当てはまった。

 

意欲や欲望が湧かなかった冬が明け、気分を盛り上げるために春物の化粧品をたくさん購入した。

 

イデアに溢れ、常に人と話していたい気分だ。

 

ウンチとかオシッコとかそんなことをずっと話していたい。

 

そう、現在は現在でハイなのだ。異常に。典型的な躁うつ病の症状とも言える。

 

人間はまったく、常に不完全が普通だと思うしかない。健康などというのは単なる幻想で、人間は誰でも常に異常なのだ。