私とスピッツ草野マサムネ

以前、好きなライターさんによる、草野マサムネの記事を読んだ。

スピッツ草野マサムネに学ぶ、気になる女子の口説きかた - BASEMENT-TIMES

 

読んでいて、そうだそうだと共感する部分と、痒いところに手が届かないようなじれったさがあった。

そう、人は誰でも、スピッツ草野マサムネについて語りたい気持ちを持っている。私にも、草野マサムネを語らせてほしい。

 

スピッツ草野マサムネは声が良い

草野マサムネと言えば、まず何よりも彼の持つ声の良さが挙げられる。

自由なのびやかさ、今にも消えてしまいそうな儚さ。

その繊細でピュアな声が、みずみずしいメロディに乗せて、力強く美しい歌詞を歌う。

草野マサムネという、まるで純朴で弱々しい青年が、心に強い信念を抱えているであろうことを、その声と歌詞のバランスから知ることができる。

 

草野マサムネの作る歌詞が良い

草野マサムネは一見、弱々しい男性だ。ところが歌詞を聞けば、彼がとても芯の強い人間であることがわかる。たとえば、8823という曲のサビの一節。

 

君を不幸にできるのは 宇宙でただ一人だけ

『8823』作詞作曲 草野正宗

“君”に対する“自分”の影響力に、絶大なる自信を持っている。

実は、この歌詞の前には

君を自由にできるのは 宇宙でただ一人だけ

とも言っている。

“君”を自由にできるのも、不幸にできるのも、宇宙どこを探しても、そんなことができる人間は“自分”しかいない、と宣言している。

なんという思い上がった主張だろうか。それを、あのような弱々しい男性が、力強く宣言して歌っているのだ。

 

草野マサムネは新しい性癖を作る

あのように弱々しく繊細な男性が、君を自由にも不幸にもできる絶大な影響力を持った人物であると主張してくる。なんと勝手な男だろう、驚きに芽生える微かな喜びに戸惑う。

心の隙間に、「軟弱そうなのに実はメチャクチャ我が強い男は最高」という性癖が染み渡る。草野マサムネにマウントを取られたいという願望が沸々としてくる。

この性癖は、EXILEのメンバーに対する好印象を無効化する。

 

人はみな、草野マサムネについて語りたい願望がある。そして、以上のように実際に語ってみて、大して語れないことに気付く。さらに、草野マサムネ以外にスピッツを語れないことに、はっきりと気付く。