「いいよ。」

この数年、いや、10年くらいは、自分のことを認めてあげることができなかった。

 

それ自体に、今更になって良いとも悪いとも思わない。

おそらく理想が高く、完璧になりたかっただけだ。

 

他人に沢山ダメだと言われた気がするし、同じくらい良いよと言われた気もする。

その度に落ち込んだし、褒められたわりにちっとも自分を良いと思えずにいた。

 

私の中の私は、いつも自分をダメだと言っていた。

 

そのせいで自分を随分と追い込んで塞ぎ込むばかりだった。

 

仕事も恋愛も、自分の人格に対しても、自己評価はいつも最低ランクを漂った。

そんなことだから、心身の健康にも悪影響を与えたと思う。

 

もう、うんざりだ、そんなこと。馬鹿馬鹿しい

 

春がきたら、33歳になる。

 

自分を徹底的にダメだと、だから変わらなければと、常に自分でない何かになるために、どこかに向かって邁進することに疲れた。

 

世の中にはもっと、楽しいこと、面白いことが無数に転がっている。

 

自分が良いと思う物をもっともっと探したい、見つけたい、自分の手で掴み取って自分の側に置きたい、それを慈しみ・愛でたい。大切にしたい。

 

自分という容れ物を生かして、そういう楽しいことや面白いことをもっと純粋に味わいたい。

 

そういう自分を褒めてあげたい。

 

これまでの人生のように、自分は絶対にダメで、だから掴み取る物にも自信を持てなく、投げ出してしまい気持ちがいつも端にあり、大切にできない。

 

そういうこととは、お別れだ。

もう、自分の中のネガティブな言葉に踊らされなくていい。

 

きっと、感動したあの映画の主人公なら、そんな私を称賛してくれる。

 

大好きなあの本の登場人物なら、きっとこういう私だから良いのだと、親友になってくれる。

 

そういう物語を作ってきた人なら、私が私として生きることをきっと応援してくれる。

 

そういうことなので、私の全てを「いいよ。」とする。

 

ご清聴、ありがとう