数日前、あるテレビ番組の俳句をつくるコーナーを観ていた。発想、言葉選びと素晴らしい俳句が多くて、羨ましくすら感じた。
かつての私は、今より自分の言葉で世界を捉えて表現できていたように感じる。少なくとも、何かに抗って必死に自分の言葉で表現しようとしていた。
しかし、みんなに伝える・伝わることを意識して生きた結果、独自性のある言葉はどこかに消えていた。
稼ぎや生きやすさと引き換えに、無自覚のまま独自性のある思考や言葉をどこかに捨てたか閉じ込めてしまった。
何かを得るために何かを失うということはあると思う。
自分の棘のある思考、言葉を捨てることで、みんなの輪に混ざってそれなりに生きていけるようになったのだ。
孤独よりは苦しくないが、人に混ざれずに一人呟いていたかつての自分がどこに行ってしまったのか。寂しさもある。